第二種電気工事士の資格を取るには?
あると絶対役立つ この資格の取り方
素人の独学でも取れた私の経験からお話します。
氏家誠悟(seigo uziie)
2004年からこのサイトを運営している個人です。自分で家2棟、小屋2棟をセルフビルドしました。「自分でわが家を作る本。」の著者です。
元岩手県の技術系職員(森林土木・木材関係)
第二種電気工事士、DIYアドバイザー、林業改良指導員及びバックホー等の重機運転資格が有ります。
受験資格は特になし
じつはこれは、
誰でも受けられる試験なのです。
資格試験によくありがちな、「○○関係の学校を出ていなければならない」とか、「○○関係の仕事に従事した経験年数が○○年以上であること」なんていう、小賢しい制限はありません。
試験に合格すればそれでよい・・・実力のみ。
学歴、職歴、年齢、一切関係なし いいですねえ・・・
しかも、それほど難しいものでもありません。
私の場合も、電気には全くの素人で経験もゼロでしたが、独学で1か月ほど勉強しただけで合格できちゃいました。(^^)v
頑張れば誰でも取れる資格なのです。
資格取得までの費用は、受験手数料が1万円弱、ほかに勉強するための参考書や、実際に作業をするための工具類、技能試験の練習用資材などが必要ですが、これらは最低でも1万円以上かかります。
この資格があると何ができる?
法律用語で一言で言えば
「電気工作物」のうち、「一般用電気工作物等」の電気工事の作業ができる
・・というです。
※ 一般用電気工作物等とは、一般住宅や小規模な店舗、事業所などの電圧600V以下で受電する場所の配線や電気使用設備などのことです。
ざっくり言えば、住宅の屋内配線はすべて自分で作業できるようになります。
スイッチやコンセントの設置や交換はもちろん、例えばエアコン等の200ボルト機器を買ったから新たに専用回路を分電盤から天井裏に電線を通して引いてくる・・
なんてことも出来ます。
セルフビルド(=自分で家を建てる)やセルフリフォームをするなら、この資格があると断然効率いいですよ。♪
私も自宅の屋内配線をすべて自分で行いました。 住み始めてからも、コンセントの増設なんかは必要になる都度、業者を呼ぶことなく自分で出来るので重宝しています。
住宅のDIYにご興味があるなら、取っておいて絶対損はない資格です。
試験日程は?
試験は筆記試験と技能試験の組み合わせです。
私が受験した当時、チャンスは年1回(6月)だけでしたが、現在は上期・下期と年2回行われています。
第二種電気工事士の
令和6年度の試験日程は、(財)電気技術者試験センターによると、
上期の試験受付申込み期間は、3月18日~4月8日
下期の試験受付申込み期間は、8月19日~9月9日
・・・となっているようです。
詳しくは以下の、(財)電気技術者試験センターのHPから確認しましょう。
⇒ 令和6年度 試験日程(pdf)
(上記リンクの2ページ目に詳しい日程が記載されています。)
希望者は「財団法人電気技術者試験センター」というところに受験申込をします。
受験申込は原則、インターネットによる方法になります。 詳しくは前記の(財)電気技術者試験センターのホームページで確認しましょう。 なお、受験手数料は9千円~1万円ほどです。
参考までに、令和5年度下期の受験案内のリンクを貼っておきます。 令和6年度上期の受験案内も近日中に公開されるはずです。
⇒ 令和5年度下期の受験案内(pdfファイル)
筆記試験は何をする?
筆記試験は4択問題です。記述式ではありません。
令和5年度から、従来の筆記方式に加えて、パソコンを用いて行うCBT方式というのが導入され、受験方式を選べるようになりました。
CBT方式だと、ある一定期間の中で自分の都合の良い日時を指定して受験できるメリットがあります。
問題は全部で50問で、そのうち6割、つまり30問以上が合格ラインです。
問題用紙を持ち帰ることができるし、試験が終わった次の日にはインターネットで正解が公開されるので、自分の点数を知ることができます。
私は90点でした。エヘン!(^^)v
どんな問題が出るのか?
では例題をひとつ・・・
※ ヒント
「抵抗」は電線の長さが長いほど大きくなり(比例) → つまり流れにくくなる
電線の断面積が大きいほど小さくなる(反比例) → つまり流れやすくなる
※ 例 題
断面積が2平方ミリで長さ20メートルの軟銅線Aと、断面積が8平方ミリで長さ40メートルの軟銅線Bがある。
Bの電気抵抗はAの電気抵抗の何倍か? ただし、軟銅線の温度、抵抗率は同一とする。
- イ 2
- ロ 1/2
- ハ 1/4
- ニ 1/8
(答えはこの節の最後にあります。)
てな感じの、学校で昔習った懐かしの「オームの法則」などを使った計算問題や、法令関係、
ほか、「鑑別」といって、写真が示されて、この道具は何に使うものか?なんていうのとか、配線図が示されてその読み方に関するものや、その他もろもろ・・・合計50問です。
どうですか・・面白そうでしょう(^o^)
この資格の合格率は、筆記試験が約6割、技能試験が約7割なので、6割×7割で最終合格率は42%程度ということになりますが、(令和5年上期実績)
※ 参考データ 第二種電気工事士試験の受験者・合格者数の推移((財)電気技術者センターHP)
私の経験では、参考書と問題集を買ってきてきちんと勉強さえすれば、難なく合格できる内容だと感じました。
書店に行けば第二種電気工事士関係の参考書はたくさん並んでいますよ。 私が受験した20年前と比べて、現在はとても分かりやすい優れた参考書もたくさん出ています。
《 例題の答えは「ロ」です。》
技能試験は何をする?
筆記試験に合格すると、約1ヶ月半~2ヶ月後くらいに技能試験を受けることになります。
技能試験って、どんなことをするのでしょう?
私が抱いていた最初のイメージでは、体育館のような広い会場に、作業服と腰ベルト姿で集まった受験生たちが、スタートの合図とともに腰ベルトのペンチやナイフを駆使して、壁に次々に配線をしていく・・・というものでしたが、実際は大分違いました。
なにしろ毎年、全国で6~7万人もの受験者がいるのです。
そんなたくさんの人たちに大掛かりな実技の試験をやるのは準備も会場の手配も採点も大変でしょうから・・・
実際の技能試験は、大学の教室などの小さな机の上で、各々が与えられた配線図をもとに電線や器具を、時間内に間違いなく接続していくというものです。
↑ こんなのを作ります
試験材料の電線や器具などは、ひとつの小さな箱に、一式パッキングされています。
こういう試験セットが毎年6~7万個必要になるわけですから、試験もひとつの事業ですねえ~
試験時間は40分です。結構短いんです。
これはもう、過去問題集を買ってきて練習するしかないです。私が最初に練習したときは、たっぷりと1時間かかりました。
こんなもん、35分以内でできるわけないだろう!!
・・・なんて思ったものです。(私が受けた当時の制限時間は35分でした。)
でも繰り返し練習していると、もともとワンパターンな内容ですからどんどん早くできるようになってゆきます。
最後には18分で出来るようになっていました。
練習したのは試験前の1週間くらいですか。 一日2~3題練習していました。
いつもながら切羽詰まってからでないと動きが鈍いのです(^^ゞ
試験当日は会場に、ペンチやらナイフやらの自分の工具を持ってゆきます。
以前は決められた工具以外は持ち込み禁止でしたが、現在はなんでも使えるようになりましたので、電線の皮むきが簡単にできる工具だとか、巷に出回っている便利な工具を使い放題です。ただし電動工具は使えません。
私が受験したときは、練習の甲斐あって、18分で終了・・・といきたいところが、勢い余って電線を切り込みすぎてしまい、別の電線に交換してもらったために時間を食ってしまいました。
材料の交換を要求すると当然減点されますが、不合格になるほどではありません。
(※ 現在では特定のもの以外は材料の交換要求は出来ないようです。)
それよりも、傷のついた電線を使ったりすると、一発で不合格になりますから、遠回りでも、やり直しするしかないのです。
私は時間に追われてあせりながらも、なんとかやり終えましたが、私の隣の席に座った若い受験生は、終了時間が近づいてもなかなか完成できず、
「うーん! くーっ! はー!」
と、苦悶のうなり声をあげて真っ赤な顔をしておりました。(^^ゞ
第二種電気工事士の資格というのは、私の印象としては、ごく普通に参考書と問題集で勉強・練習をすれば、誰でも合格できる内容である・・ということでした。
ちなみに、技能試験の練習をするために必要な電線や器具は、ほとんどがホームセンターで手に入りますが、個別に買っていると意外に費用がかかり無駄が多いです。
最近では、試験に必要な工具一式にハンドブックまで付いた、便利なセットもあります。
本格的に勉強をはじめる前に、まず以下の本を読んでみることをお勧めします。
私も最近これを買って読んでみたのですが、マンガといえども、要点はしっかり説明されていて、絵やストーリーとともに進むので面倒な内容も眠くなることなく(笑)、楽しく読み進むことができました。