額縁型のプランターの作り方
花苗の植え込み方法もご紹介
隣町にある人気の花屋さんで、額縁タイプのフラワースタンドを初めて見たときは感激しました。
カッコイイ~!・・・これ、買うと高いので、自分で作れないか?
そう思ってDIYしています。 知人に頼まれて作ってあげたりもしたので、写真のものはかれこれ6台目
これを玄関先に置くと非常に目立ちますね~
(^^ゞ
もちろん、市販されている額縁フラワースタンドとは(金具やサイズなど)完全に同じではありません。独自の設計で作っています。
同じものを作りたい方に役立つよう、詳しい設計図も掲載しました。もちろん作り方や、花苗の植え込み方も書いていますので、ご参考になれば幸いです。
設計図
木製なので材料はすべて木です。 組立後に白ペイント(ペンキ)で塗装します。
額縁本体の材料は、この例では厚さ18ミリのパイン集成材、厚さ15ミリのパイン材、厚さ12ミリのスギ材 の3種類を使っていますが、たまたまパイン材の在庫があったからそうしただけなので、樹種はすべてスギなどに統一しても良いでしょう。
木材以外には、背面板としてプラダンシート(厚さ4.5ミリ)と、脚の開き止めにチェーンを少し使います。
花苗を額縁いっぱいに植え込む場合は、さらにプラダンシート少々と、太めの針金が要ります。
額縁本体の設計図
脚(イーゼルスタンド)の設計図
脚の材料は主に30×30ののスギ角材です。 三脚のように開くため、前脚2本の上端は斜めにカットします。
前脚上端のカット角度
パーツ図
製作過程
私の場合は木工工具を所有していますし、木工技術もそれなりにあるので以下のような作り方をしていますが、ご自身の持つ工具・技術に合わせて自由にアレンジすれば良いと思います。
1、額縁前面枠を作る
ラジアータパイン集成材(厚さ18ミリ)を、テーブルソーで切り出し、木端面(切断面)を鉋削り
止型定規で45度にカットラインを引き
再びテーブルソーで45度カット
パーツが揃いました。
ビスケットジョイントカッターで、木口に切り込みを入れます。
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組む前に、組んでからでは削りにくい内側を、鉋で面取り
木工ボンドを塗り、ビスケットを挿入し
接合面を突きつけ
ビスを斜め打ちで固定しました。 ビス頭が出ないよう、穴をあけてから打っています。
ダボを打って穴を塞ぎ、アサリ無しのダボ切りノコで余分なダボをカット
ボンドが固まってから、わずかな目違い(接合面の段差)を鉋で払い、外周面の面取りもして、額縁前面枠は終了
2、プランターの箱部分を作る
側板に、背板となるプラダンシートを挿し込むための溝を切っています。
溝の幅をチェック
厚さ4.5ミリのプラダンシートを、このようにはめ込む予定
各パーツを、木工ボンドとビスで組み立てています。
こうなりました。 これは背面から見たところ
3、前面枠と箱部分の合体
木工ボンドとビスで合体
(ビス頭はダボ埋めなどはせず、そのまま。 後でペンキを塗ると目立たなくなります。)
4、脚を作る
スギの荒角材を、自動かんな盤で30×30に削り揃えています。
(最初から鉋掛けされた角材が手に入れば、この作業は必要なし)
スギは死に節が多いので、この段階でエポキシパテで埋めておきました。
前脚の上端をな斜めカットするための墨付け
今回、斜めの勾配は 140:500 なんですが、さしがねの妻手側目盛を140、長手側目盛を500として角材に合わせれば、所定の勾配のラインが引けます。
後脚は斜めカットが無いので、あらかじめ後脚にボール盤で穴をあけておき、前脚を添わせて、後脚の穴をガイドとして前脚に穴をあけています。
同寸の角材(残材)にも穴をあけ、後脚に見たてて仮に設置し、丸棒を通しておきます。
この状態で、棚板を前脚に固定
棚板に額縁本体を添わせながら、前脚上部に取りつける固定板の位置を確認
上部固定板を取付け
5、塗装&組立て
塗装は、アサヒペンのスーパーコート(白)を2回塗り
水性塗料なのですぐ乾くし、扱いやすいですね。
棚板に、チェーンを取り付けています。 脚の開き止めのため。
その後、前脚と後脚をセット
防腐剤を塗った丸棒を穴に通しています。少しキツイくらいの感じがベスト
(穴はφ8のドリルで開け、丸棒はφ8の丸棒をサンダーで少しずつ削って径をやや細くしています。)
額縁本体を乗せたときに落ちないよう固定するためのパーツ
堅木のタモを切り出した木片をビス留めしますが、あまりしっかり締めず、動く程度にします。
こんなふうに90度回転させて固定する仕組み
背面の溝にプラダンシートを挿入。 椰子マットの上で止まるようになっています。
本体を脚に取り付けて、完成!
花苗の植え込み方法
下の方にだけ植え込む場合
簡単なのは、右のイラストのように土を入れて花苗を植える方法なんですが、これだと、額縁ギリギリに入れても、土の量はあまり多く入りません。 当然、植える苗も3~4株が限界かな・・・
額縁全面に植え込む場合
ちょっと面倒だけど、花苗をたくさん植え込めるので、豪華(?)に見える。
市販の額縁フラワースタンドには全面に植え込むための専用グッズがあるので、それを真似て自分で作ってみました。
プラダンシートを、額縁本体の内側に三面鏡のようなカタチですっぽり入るよう、サイズを測ってカットし、さらに縦に4本、スリットを入れています。
このスリットは巾2センチ程度で、花苗の茎の根本が通る部分です。
ビニル被覆の針金を、このように曲げたものを3本用意します。
今回植え込むのは12株
各スリットに3株ずつ植えることにしたので、どこに何を植えるか、仮置きして検討しています。
グッズが揃いました。
底に椰子マットを敷き、背面にプラダンシートを挿し込むのは、これまでと同じ
市販のグッズは、これがスポンジになっているんですよね・・・
ここは花苗の茎を通す部分なので、スポンジのほうが茎に優しくて良いはずです。
今回はスポンジが手に入らなかったので代用品として椰子マット使用。 茎には厳しいので、あまりオススメしません。 (^_^;
椰子マットに切り込みを入れてます。
これを、額縁の内部に挿入
こうなりました。
このグッズと額縁上部板との隙間から花苗を入れるので、ちゃんと苗を挿入できるようサイズを考えておかないと失敗します。
底のほうに少し土を入れてから、花苗をスリット上部からそぉ~っと落とし込む
スリット通過の際に、茎を傷つけないようにするのがなかなか大変(^^ゞ
土を足し、2段目の苗を落とし込む。 この繰り返し
2段目を終えたら、用意していた針金を、前と後のプラダンシートの空洞に挿し込みます。
これにより、前面プラダンシートが土圧で前傾するのを防ぎます。
3段目の苗を植え、土を被せ、最後に乾燥防止のため水苔を敷きつめて完了
植え付け直後はこんな感じ。 まだスカスカですが・・・
下のほうにはアイビーの仲間、少し上にアリッサム、メインとしてビオラやバコバの仲間を中心に植え込んでみました。
氏家誠悟(seigo uziie)
2004年からこのサイトを運営している個人です。自分で家2棟、小屋2棟をセルフビルドしました。「自分でわが家を作る本。」の著者です。
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